1-2. APIとライブラリの違い

更新日:2025年12月7日

1-2. APIとライブラリの違いについて解説します。
基礎知識編

※画像は生成AIによるイメージです。

APIとライブラリは混同されがちですが、実は全く異なる概念です。 両者の違いを理解することで、Web開発における技術選択が適切に行えるようになります。

基本的な違い

項目 ライブラリ API
実行場所 あなたのPC・サーバー 外部のサーバー
提供形態 コードファイル 通信インターフェース
インターネット 不要(ダウンロード後) 必要
料金 多くは無料 従量課金が多い

ライブラリとは

ライブラリは「コードの塊」です。ダウンロードして自分の環境に組み込み、直接実行します。

ライブラリの例

Chart.jsをダウンロードしてグラフを描画する場合、すべての計算と描画は自分のブラウザ内で完結します。

APIとは

API(Application Programming Interface)は「サービスへの窓口」です。 外部サービスの機能を利用するための規則や手順を定めたものです。

APIの例

Google Maps APIを使用する場合、地図データはGoogleのサーバーから取得します。あなたは「この座標の地図をください」とリクエストを送るだけです。

具体例で理解する

ライブラリの使用例

// Lodashライブラリを使った配列処理
// すべての処理は自分のPC内で実行される
const numbers = [1, 2, 3, 4, 5];
const doubled = _.map(numbers, n => n * 2);
console.log(doubled); // [2, 4, 6, 8, 10]

APIの使用例

// OpenWeather APIを使った天気取得
// 外部サーバーにリクエストを送信
fetch('https://api.openweathermap.org/data/2.5/weather?q=Tokyo')
    .then(response => response.json())
    .then(data => {
        console.log('東京の天気:', data.weather[0].main);
    });

使い分けの指針

ライブラリを選ぶべき場合

  • オフラインでも動作させたい
  • 処理速度を重視する
  • データを外部に送信したくない
  • カスタマイズが必要

APIを選ぶべき場合

  • 最新データが必要(天気、株価など)
  • 大規模なデータベースが必要
  • 複雑な処理を自分で実装できない
  • 常に最新機能を利用したい

重要な用語

REST API
Web APIの設計手法の一つ。HTTPメソッドを使用してデータをやり取りする
APIキー
APIを利用するための認証情報。パスワードのように秘密にする必要がある
エンドポイント
APIにアクセスするためのURL。機能ごとに異なるエンドポイントが用意される
レスポンス
APIからの返答。多くの場合JSON形式でデータが返される

まとめ

ライブラリは「手元で使う道具」、APIは「外部サービスへの注文窓口」と理解すると良いでしょう。 両者は排他的ではなく、一つのプロジェクトで両方を組み合わせて使うことが一般的です。 次のページでは、JavaScriptのパッケージ管理ツールであるnpmについて学習します。

免責事項
本コンテンツは2025年12月時点の情報に基づいて作成されている。最新の情報については公式ドキュメントを参照されたい。