春の植物

更新日:2025年1月3日

淀川流域における春季(3〜5月)の植物相を解説。早春の開花植物から晩春の草本群落まで、観察のポイントを紹介する。

1. 早春の植物(3月)

冬の終わりとともに、いち早く開花する植物が現れる。これらは「スプリング・エフェメラル」や「早春植物」と呼ばれる。

1.1 早春の草本

種名 科名 開花期 特徴
オオイヌノフグリ オオバコ科 2〜4月 青い小花、帰化植物
ホトケノザ シソ科 3〜5月 紫紅色の唇形花
ナズナ アブラナ科 3〜6月 三味線バチ形の果実
ヒメオドリコソウ シソ科 3〜5月 上部の葉が紫色を帯びる
タネツケバナ アブラナ科 3〜5月 湿った場所に生育

1.2 ヤナギ類の開花

河川敷のヤナギ類は早春に花を咲かせる。葉が展開する前に開花する種が多い。

  • カワヤナギ: 3月上旬から銀白色の花穂
  • ネコヤナギ: 銀色の綿毛に覆われた花穂
  • タチヤナギ: 3月中旬から黄緑色の花穂

2. 仲春の植物(4月)

気温の上昇とともに開花種が急増し、河川敷は最も華やかな時期を迎える。

2.1 仲春の草本

種名 科名 開花期 特徴
カラスノエンドウ マメ科 3〜6月 紅紫色の蝶形花
スズメノエンドウ マメ科 4〜6月 白〜淡紫色の小花
カタバミ カタバミ科 4〜10月 ハート形の葉、黄色花
シロツメクサ マメ科 4〜8月 白い球状花序
ハルジオン キク科 4〜6月 白〜淡紅色の頭花

2.2 タンポポ類の開花

在来種と外来種の見分け方
総苞外片の反り返りで識別できる。セイヨウタンポポは反り返り、カンサイタンポポは密着する。ただし雑種も増加している。

3. 晩春の植物(5月)

草本類の成長が本格化し、ヨシやオギなどの大型草本も急速に草丈を伸ばす。

3.1 晩春の草本

種名 科名 特徴
ヨシ イネ科 新芽が急成長、1日10cm以上伸長
オギ イネ科 ヨシより乾燥した場所に生育
クサヨシ イネ科 5〜6月に穂を出す
ノイバラ バラ科 白い5弁花、芳香
ヒルガオ ヒルガオ科 淡紅色の漏斗形花

3.2 草丈の急成長

5月は多くの草本が急速に成長する時期である。ヨシは最終的に3〜4mに達するが、この時期に基本的な草丈が決まる。

4. 春の樹木

河畔林の樹木も春に活動を再開し、展葉・開花する。

4.1 展葉の順序

時期 樹種 特徴
3月下旬 ヤナギ類 最も早く芽吹く
4月上旬 エノキ、ムクノキ 淡緑色の若葉
4月中旬 センダン 羽状複葉が展開
4月下旬 アキニレ やや遅れて展葉

4.2 樹木の開花

  • エノキ: 4月、目立たない淡緑色の花
  • センダン: 5〜6月、淡紫色の花
  • クワ: 4月、穂状花序

5. 観察ポイント

春の植物観察で注目すべきポイントを紹介する。

春の観察チェックリスト

  • 開花順序: どの種が先に咲くか記録
  • 花粉媒介者: どんな昆虫が訪花しているか
  • 展葉パターン: 葉の展開順序と速度
  • ヤナギの花穂: 雄花・雌花の違い
  • 渡り鳥: ツバメなど渡り鳥の到来時期
観察のベストシーズン
3月下旬〜4月中旬が最も多くの種の開花が見られる。特に晴れた暖かい日の午前中が観察に適している。
参考文献・免責事項
本コンテンツは2025年1月時点の科学的知見に基づいて作成されている。開花時期は年により変動する。