調査手法

更新日:2025年1月3日

淀川流域の植物調査に用いられる手法を解説。植生調査、個体群調査、モニタリング手法を紹介する。

1. 植生調査法

植生の構造と組成を把握するための調査手法を紹介する。

1.1 コドラート法

植生タイプ 標準サイズ 記録項目
草本群落 1〜4m² 出現種、被度、草丈
低木群落 25〜100m² 階層構造、樹高
森林 100〜400m² 胸高直径、樹冠投影

1.2 被度・群度の記録

ブラウン-ブランケ法
被度を5段階(+, 1, 2, 3, 4, 5)で記録。5: 75%以上、4: 50-75%、3: 25-50%、2: 5-25%、1: 1-5%未満、+: 稀

1.3 トランセクト法

  • ベルトトランセクト: 帯状の調査区を設置
  • ラインインターセプト: 線上で被覆を記録
  • 適用: 環境傾度に沿った植生変化の把握

2. 個体群調査法

特定種の個体群特性を把握する調査手法。

2.1 個体数推定

手法 適用 特徴
全数調査 希少種、小個体群 正確だが労力大
サンプリング 大個体群 効率的、推定誤差あり
距離法 樹木 密度推定に適用

2.2 齢構成・サイズ構成

  • 目的: 個体群の更新状況把握
  • 指標: サイズ分布、年齢分布
  • 解釈: 逆J字型=更新良好、正規分布=停滞

3. モニタリング手法

長期的な変化を追跡するモニタリング手法。

3.1 固定調査区

項目 内容
設置 永久杭・GPSで位置固定
頻度 年1〜2回、同時期に実施
記録 種組成、被度、写真
期間 5年以上の継続が望ましい

3.2 フェノロジー観察

  • 開花調査: 開花日・満開日の記録
  • 紅葉調査: 色づき始め〜落葉
  • 頻度: 週1〜2回程度

3.3 リモートセンシング

活用可能なデータ

  • 衛星画像: 広域の植生分布把握
  • 航空写真: 詳細な群落境界
  • ドローン: 高解像度・柔軟な撮影

4. 標本作成

証拠標本の作成と管理について。

4.1 採集の注意点

  • 許可: 土地所有者・管理者の許可取得
  • 希少種: 採集は最小限に(写真記録推奨)
  • 記録: 日時、場所、環境、採集者

4.2 押し葉標本の作成

工程 内容
採集 花・果実付きが望ましい
圧搾 新聞紙に挟み、プレス
乾燥 毎日紙を交換、1〜2週間
台紙貼付 ラベル添付、整理番号

5. データ解析

収集したデータの解析手法を紹介する。

5.1 主な解析手法

手法 目的 適用例
多様度指数 種多様性の定量化 Shannon指数、Simpson指数
序列化 群落の類型化 DCA、NMDS
クラスター分析 群落の分類 階層的クラスタリング
指標種分析 環境指標の抽出 IndVal法

5.2 ソフトウェア

  • R: 統計解析、veganパッケージなど
  • QGIS: 空間データ解析・可視化
  • Excel: 基本的なデータ整理
参考文献・免責事項
本コンテンツは2025年1月時点の情報に基づいて作成されている。調査実施には適切な許可取得が必要。